東洋医学について

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東洋医学という言われ方が定着したのはいつの頃からなのでしょうか?
日本では日清戦争(明治28)以降、「西洋」と対になる「東洋」という用語が定着したと考えられており、昭和25年に日本東洋医学会が設立されて、東洋医学という呼び方も一般的になったと言われています。

明治時代までは医者と言えば鍼灸や漢方薬を扱い『気の調整』を行う人の事を言いました。明治天皇も鍼灸治療や漢方薬に対して信頼を寄せていて、御自身も治療を受けていた事は有名な逸話です。

その頃の西洋医学はオランダから日本に入って来ていたので、オランダ医学は蘭方医学と言われ新しい考え方とされていました。

それほどまでに現代で東洋医学と呼ばれる鍼灸や漢方、あん摩などの『気の調整』は日本人の生活に定着した考え方であり国民医療という役目でした。その結果、現代でも日本語の中には東洋医学の考えが元で作られた言葉や単語が残っています。
元気、正気、血の気(け)、風邪(かぜ)等がそれに当たります。

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これらの語句からもわかるように、東洋思想と言われる考え方の特徴に『気』という概念があります。化学の進んだ現代においても計測できる技術が未だにない為、その是非が問われる概念でもあるのは確かです。

しかし東洋思想の中でも、この『気』『目には見えず流動的で運動し、様々な作用をおこす』とされており、見えなくて当たり前なモノであり、流動的で形は無く、しかし様々な作用(人の生命活動、自然現象)を引き起こすのに必要な物質という考え方です。

東洋医学ではこの『気』が少なかったり、逆に局所的に多すぎたり、滞って身体を流れていなかったりする事で正常に身体の機能が作用しない事が身体の不調を招き、病気や痛みが起こるとされています。

それを鍼灸やあん摩、漢方薬を使う事で『気』の過不足を調整し、滞っていた気の流れを良くする事で身体が機能を取り戻し、病気や痛みを回復させてゆく自然治癒力を最大限に引き出す方法です。

近代医学といわれる西洋からの医学が日本に入ってきて、100年余りになります。
思想一般的であった東洋医学の考え方は近年では専門家の間でしか語られる事は無くなってしまいました。

しかし、鍼灸治療をはじめ伝統医学と言われる古来からの医学に、最先端医療の研究では世界的にも注目が集まっています。
一部分だけでなく、人の身体の全体を考え、自己の自然治癒力を引き出す東洋医学の考えが再評価されているのは、科学的には数値化できず測定できない事が身体にはまだまだあり、その答えとして東洋医学の考え方が見直されているからなのです。