東洋思想

天人地三才思想(てんじんちさんさい思想)

東洋思想ではこの世の始まりから考えられており、それは混沌として形はなく何もない状態。つまり物質というモノ自体がまだ出来ていない所から始まり、それは月も太陽も山も水もまだ生まれてない所から始まります。

その混沌の中から次第に『気』が生れ、その気の中でも軽いものと重いものに別れはじめて行き、その混沌とした状態から、清く軽い気は上に登り大空に、濁って重い気は下に沈んで大地となりました。この上に登ったモノが陽の気、下に沈んだモノを陰の気と言われ、その陰陽の中間層にある清濁が混ざった気が集まり、調和して生命が生まれたと言われています。

人もそうして生まれた生命の 1 つなので大まかにですが分けると陰と陽の両方の気が身体の中を巡っています。

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陰陽のバランスは一定ではなく常に移り変わり巡り行くもので、自然界の季節が移り変わって行くのも同じです。陽の気が最も多く、陰の気が最も少なくなる季節が夏陽の気が最も少なく、陰の気が最も多くなる季節が冬になりその合い間に春と秋があります。

季節が春から夏、夏から秋、秋から冬、そしてまた春になり季節は巡って行きまた春になります。 こうした事からもわかるように陰陽のバランスは変化しながら絶えず循環しています。

これは陰陽の気を併せ持つ人にも言える事で、季節によって自然界に同調するよう陰陽のバランスは変わって行きます。人の身体も常に一定ではなく自然と同調するように常に変化しているという事です。しかし、様々な理由でこの同調がうまく行かないと、人は病気になったり、体調を崩すなどの不調が現れます。
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つまり、宇宙を含めた大自然(天と地)と人(動植物)とは関連しているもので、切り離して考える事はできな ず、大きく考えると大自然と人は一括りのものという東洋哲学が『天人地三才思想』です。(ここでいう才は作用とか働きなどを意味します)

「宇宙の根源の太極が分離して清く軽いものは上に昇って天となった。これが陽である。濁って重いものは沈んで地となった。これが陰である。中ほどにある混じって調和した気が人となった。これを天地人の三才という。」

天人合一思想(てんじんごういつ思想)

ここで言う『天』とは、自然現象のことを意味しています。
大自然では水が蒸発して雲となり、そこから雨となって大地を潤し、植物を育み、植物は他の動物の食物となり、 動物はいつか朽ちて大地へと還り、土を肥やし新たな植物を育むといった関係のようにそれぞれが『個』でいる のではなく、お互いがお互いに依存しながら成立しており、大きな自然現象の循環の中にあり全てで一つの大自 然という統一体を成しています。

img_oriental03それは人にも言える事で、人体の臓器、組織、器官もそれぞれ異なった機能をもっていますが、それぞれが独立して成り立っている訳ではなく、それぞれの臓器がお互いに依存する事で成り立ち『人』という統一体を形成しています。
そこから、人と自然は相応しているという考え方が導き出され、大自然(自然現象)に対し小自然(人)と考え、 天と人は対立するものではなく、本来は一体をなすもので、あるとする思想です。人も自然の一部であり、その自然と一体となった境地を「天人合一」としており、東洋思想の中でも東洋医学の 基礎へと発展して行きます。

人の生命体を、大自然(大宇宙)の一環として捉えるということに基づいて、東洋医学では人体内部の仕組みも一つの小自然(小宇宙)としてみる。

※天地人三才思想・・・天の陽気と地の陰気とが調和することによって、人の気が生成されるという思想
※天人合一思想・・・人体と形と機能とが、天(大自然)と相応しているとみる思想である。

五行学説(五行学説)

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五行とは、木、火、土、金、水(もく、か、ど、ごん、すい)の五種類の気の質を表していて、中国の古代人が大自然と 日常の生活とその生産活動(農耕作業)の中から無くてはならない物として認識したのがこの五種の気の質です。

東洋思想ではこの世の最小単位を『気』としているので、物質は気の集合で出来ている事になります。 つまり、自然界の陰陽の気も細かく見るとこの五種類の気に分ける事ができ、それぞれが関係しあう事でそれぞ れを生み、育み、助け合っていることでバランスを保っています。

例えば、木が火によって燃える事で土に還る事や、川の水流も土によってせき止められる事などの自然現象を観 察する事から生み出された考え方です。

人体の中にある陰陽の気にも五種類の気の質があり木、火、土、金、水(もく、か、ど、ごん、すい)が巡って、この五種類の気を新たに産み、育み続けている関係なのです。(これを相生関係といいます)
人の身体の内臓やツボにもその五種類の気の配当がされています。その内臓の属性のうち、生まれ持ってどれが強いか、又は弱いかによって個人の生まれ持っての体質が決まります。そして、その強弱が過剰にならないように歯止めをお互いに掛け合うことで身体の調子が崩れないようにバランスを保っているのです。(これは相克関係と呼ばれるものです)病気は何らかの理由(気候、ストレス、疲労など)によって、この相生・相克の関係が崩れてしまい気の流れが 乱れる事で人体の気・血・水分のバランスも崩れ身体の不調が現れるのです。

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東洋思想の中でも、この『気』は『目には見えず流動的で運動し、様々な作用をおこす』とされており、見えなくて当たり前なモノであり、流動的で形は無く、しかし様々な作用(人の生命活動、自然現象)を引き起 こすのに必要な物質という考え方です。東洋医学ではこの『気』が少なかったり、逆に局所的に多すぎたり、滞って身体を流れていなかったりする事で 正常に身体の機能が作用しない事により身体の不調が現れ、病気や痛みが起こるとされています。それを鍼灸やあん摩、漢方薬を使う事で『気』の過不足を調整し、滞っていた気の流れを良くする事で身体が機能を取り戻し、病気や痛みを回復させてゆく自然治癒力を最大限に引き出す方法です。

経絡と経穴(けいらくとけいけつ)

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ツボとは?

ツボと言われている物は専門的には『経穴』(けいけつ)と言われており、その数は全身で361種類あります。(WHO 経穴部位国際標準化公式会議による)
経穴は身体の中を通っているエネルギーである気が体内から体表に出てくる所であり、身体の不調を表してくれる所でもあります。また、経穴にはそれぞれ身体に影響を与える特性をもっており、経穴を刺激することでその特性を引出し、気の調整をする事で自然回復力が増し、身体の不調を整える事ができます。つまり気の調整をするためには経穴が有効な治療のポイントとなるわけです。

経絡(けいらく)とは?

体中を流れる『気』というエネルギーが通る道のことを『経絡』(けいらく)といい、経穴がそれらの中継 地点として経絡をつないでいます。気は体内にも流れており、内臓も通って行きます。そして体表に出て経絡となった時、その体内の通り道にあった内臓に関係が深い経絡となります。だから経穴(ツボ)は体表面から内臓に影響を与え治療する事ができるのです。

東洋医学の考えでは、この経絡を流れる気の乱れ(気が多すぎる、少なすぎる、滞っているなど)が不調を 引き起こす元とされています。それぞれの経絡の気の流れを整え、体中に気を通す事で正常な身体の機能を 取り戻させ、人体が持つ自然回復力を最大限に引き出す事ができるのです。